【書籍】ザ・ビートルズ・スタイルブック

 

ザ・ビートルズ・スタイルブックを読みました(ビートルズブログにしたいわけではないんですが…)。

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書影

デビュー前は革ジャン姿で演奏しつつステージでも喫煙するヤンキー的スタイルだったのが、マネージャーのブライアン・エプスタインの発案でお揃いスーツのいい子ちゃん風に切り替えた…という話は小耳に挟んだことがあったので、てっきりスーツは与えられたものをそのまま着ていたのかと思っていたが、実際はメンバーみんなの意見をデザイン画にまとめて仕立て屋さんと相談したり、かなり積極的に関わっていたらしいことに驚いた。

 

特にズボンをかなり細身にする点には強いこだわりがあったとかで、そのズボンの細さはテディ・ボーイと呼ばれる50年代の労働者階級の間で流行った不良ファッションに端を発するらしい。今だとそれほどスキャンダラスな衣装には見えないけど、男性がスーツにほそほそのズボンを採用してヒール付きの靴を合わせるというのは、当時の感覚ではけっこう奇異だったのかもしれない。少年時代のジョージが校則無視の派手なおしゃれをしていても割と鷹揚だったお父さんがジーンズには怒ったというあたりも、現代とはまったく感覚が違っていて興味深かった。

デビュー前の少年時代からバンド末期まで網羅されていて、知らない話がほとんだだったので大変楽しく読みました。メンズファッション、60sファッションが好きな人にもいいかも。ただ写真や解説イラストはそれほど多くなく基本的に読み物なので、写真集に近いものを想像している人は注意。個人的には、本の趣旨からいえば本体価格が多少上がったとしても装丁をもっとかっこよくすべきだったのでは…という点がちょっと残念。あと欲を言えば「ゲット・バック」の内容を盛り込めるスケジュールで出せなかったのかなと思わなくもない。ゲット・バックは特にジョージのファッショニスタぶりがすごかった。