ペンギン、ペンギン、ペンギンドキュメンタリー

図書館でなんとなくペンギンの図鑑を借りて読んでみて以来、他の動物と比べてもペンギンには密かに特別な思いを抱いている。ということで、今回はペンギンのドキュメンタリーを紹介したい。

 

皇帝ペンギン ただいま(2017年)

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皇帝ペンギン ただいま - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

ペンギンの中で最大のサイズ(大人は身長120cmぐらいになる)を誇るコウテイペンギンのドキュメンタリー。水族館で見るペンギンは外敵もなくのんびり過ごしているので、私たちは何となく野生のペンギンも白いパラダイスで穏やかに暮らしているようなイメージを持っていないだろうか?ところがどっこい、野生のコウテイペンギンの子育てはめちゃハードである。お父さんは南極の厳しい気候のなかで絶食しながら90〜120日(!)も卵を温めつづけ、無事に産まれたら産まれたで両親が交代でえっちらおっちら遠い海まで餌を獲りに出かけ、お腹を空かせたヒナに吐き戻しで与え続けねばならない。行列になり黙々と海まで歩き続ける黒い後ろ姿は通勤ラッシュのようで、同じ二足歩行の生き物としてなんだか感情移入せずにはいられない。一方で、さっきまで短い足でヨタヨタ歩いていたペンギンもひとたび海中シーンになると別人(別ペン)のように優雅で大変かっこよくファンタジック。陸上と海中のギャップはペンギンの大きな魅力の一つである。もちろんぬいぐるみのようにもふもふで最高に可愛い赤ちゃんも堪能できる。

 

ペンギンの住む氷の世界

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Disneynature Penguins | Disney+

ディズニー+で見られる。先述の「皇帝ペンギン ただいま」に、コウテイペンギンよりずっと小さいペンギンが少し登場するが、こちらのドキュメンタリーはそんなアデリーペンギンたちが子どもをもうける様子を追っている。ちなみにアデリーSuicaペンギンのモデルでもあるらしい。体が大きくておっとりした雰囲気のあるコウテイペンギンとは対照的に、アデリーペンギンは70cmほどの小柄な体躯を元気いっぱいに動かしているのが特徴的。パキッとした白黒の、世間が考えるペンギンのイメージに近いカラーリングと相まって「アイドル性が高い…」と思ってしまう。そのせいかナレーションのテンションも皇帝ペンギン〜より高め。ヒョウアザラシやゾウアザラシ、シャチなど、南極に住む他の生き物も見られてハラハラしつつも楽しい。

 

メイキング映像〜ペンギンの住む氷の世界

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Penguins: Life on the Edge | Disney+

「ペンギンの住む氷の世界」の何がいいかって、本編とほぼ同じ長さのメイキングが見られること!なんなら本編より好きかもしれない…。ドキュメンタリー本編は人間の存在が隠されているので画面に映っているものにしか意識が行かないけれど、カメラの後ろにいるスタッフの人たちの努力があってこその映像だと改めて確認できる。南極って白いしなんとなく無臭なイメージがあったけど、実はペンギンちゃんたちのフンはかなりのニオイだし、シャチの潮やゾウアザラシなどもニオイがきついらしい(そしてお風呂に入れる環境にない人間たちも無臭ではいられない…)。卵から雛が出てくるシーン、ペンギンが海に飛び込むシーンなど、絶対外せない瞬間をキャッチするために奮闘するスタッフさんたちのかっこいい姿を是非見てほしい。

 

ペンギン・タウン

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ペンギン・タウン | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

こちらはNetflixのオリジナル作品。ペンギンは氷漬けの寒い場所に住んでいるものと思っている人は多いと思うけれど、実は温暖な場所で過ごす種類もいる。こちらは南アフリカのリゾート地で子育てや生活に奮闘するケープペンギンを追ったドキュメンタリーで、1話30分ほどで全8話あるシリーズもの。奈良公園のシカよろしく、普通に人間のいる町を我が物顔でひょこひょこ闊歩するペンギンはインパクト大かつめちゃくちゃキュート。当たり前のように民家の庭に巣を作り、民家を横切って海へ行っている。複数のペンギンを追う群像劇になっており、同じ町にいる同じ種類の生き物であってもそれぞれ違う暮らしがあることがわかってとても興味深い。なかでも個人的には「ブーゲンビリア氏」と名付けられたオスのペンギンのことは好きにならずにいられなかったし、これを観た他の方たちもきっとそうだと思う。なぜ応援してしまうのかはぜひ視聴して確かめていただきたい!ストーリーの組み立てが上手く、飽きずにどんどん見てしまうこと必至。

 

ところで、水族館にいるペンギンには同性カップルも珍しくなく、中には同性のつがいが卵を孵化させることもあるらしい。動物が同性愛的な(人間の視点ではそのように見える)行動を見せることは珍しくないらしいので、野生のペンギンにもきっと同性カップルはいるだろう。そのあたりの要素が盛り込まれたペンギンドキュメンタリーが出てきたらぜひ見てみたいと思う。基本的にオスとメスの見た目がほぼ一緒なので、野生下で見つけるのは大変だとは思いますが…