【書籍】自負と偏見(高慢と偏見)

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借りた本とマグカップ

正月休みにジュンク堂でうっかり Pride and Prejudice のマグカップを衝動買いしてしまったので、ついぞ手を出したことのなかった高慢と偏見自負と偏見)を図書館で借りてきて読んでみた。

私は他の人がそうしてる分にはさほど気にしないが、自分が全然知らないバンドのバンドTを着るのはためらうタイプである(全然バンドに詳しくないので結果的にクイーンとビートルズのバンドTしか着れないが…)

もう少し新しめの訳を狙うつもりで色々あって間違えて昭和30年代に翻訳されたバージョンを手に取ってしまい、わざわざ書庫から出してもらったのに「やっぱりなんか違うのでいいです」と突き返すのも忍びなくそのまま借りることにした。「ちゃんと読み切れるかな」と一抹の不安があったけれど、楽しい娯楽小説で問題なく読み終えることができた。むしろ日焼けして茶色くなった紙や活字独特の陰影が古典小説の雰囲気をかき立ててくれて、結果的に良かったと思う。読む前は相手役の名前が「ダーシー」でロマンスものらしいという知識だけがかろうじてある状態で、主人公とダーシーの二人の関係性についての内容が延々続くのかと思っていたけど、特に上巻までは思いのほかダーシーの影が薄くて驚いた。ロマンス部分ももちろん素敵だけど、むしろ登場人物たちが賃労働も家事労働もしてる様子がなく、フラッと何週間も旅行に行ったりしてるあたりがシンプルに羨ましいな…(彼女たちほど恵まれた立場でない人々の犠牲のうえに成り立ってる生活なのだろうけど)。映画版なんかだともっと切り詰めてダーシーとのロマンスが中心になってたりするのかもしれない。

以下、翻訳が古いゆえに面白かったところ覚え書き:

・「マフィン」に「菓子パンの一種」と訳注が付いている

当時の日本ではまだマフィンが浸透してなかったみたい。今だともうオシャレな舶来物の食べ物という感じではないですが

・「カルタ」

登場人物がたびたび「カルタ」で遊んでいるシーンが出てくるのだが、具体的に一体何なのか気になる。当時はトランプのことをそう言ってたのかと思ったら、トランプという単語も普通に出てくるので何かしらの区別がありそう。カルタも英単語のcardも語源は同じわけだから、なにがしかのカードゲームだと思うけど、何なんやろう。

・「オールみんなべた惚れ」

意味するところは「相手が誰であっても好意的に見てしまう」みたいなことだと思われる。流行りの言い回し?今だと古典小説にこんな訳文を出したら修正されそうな気がする。

・コリンズからの手紙の文面だけ文体が硬い

"貴殿並に貴殿御一家当面の御難儀に対しては、衷心御同情申し上ぐる次第であります"(下巻p154)というような、江戸時代の文書かと思うような硬さなのに、もちろん固有名詞は西洋のそれなのでなんだか混乱する。他の部分は手紙の文面も含めてそれほど読むのに苦労しないけど、ここはちょっと大変。

・「コーヒー茶碗」

コーヒー茶碗!!